きもち

ツイッタのように毎日のキスマーク

無題



2015年3月1日。
気がついたらもう3月だった。
カレンダーはまだ2月のままだ。

3月は君に出会った月。
君の名前は知っていたし、君の顔も、姿も、声も知っていた。けれど、君という人間に初めて触れた日。触れたというのは物体的な話ではなく、君の存在すべてにという意味だ。

君からごはんにいこうと誘われたとき、わたしは嬉しかった。自分から幾度か誘ったことはあるがそれはSNS上であり、実際に連絡をとったことはなかった。
君からの連絡、LINEの通知、君とわたしが繋がっていること、君対わたし、そのすべてが例えるなら金色でした。

初めて会った君は、高校時代よりとても痩せていて、思ったより気さくな人だった。わたしは様子をうかがっていた。でも、顔が熱かった。照れていたのだと思う。まだ寒かった。雪が降っていた。コンビニエンスストアの駐車場に車を停め、時間が忘れるほど話した。君の髪があまりにクルクルしていたので、触った。柔らかかった。君を例えるなら、犬だと思った。かわいい笑顔で笑った。直視できなかった。また顔が熱くなった。

次の日の待ち合わせと時間を決めて、また朝電話するねといって別れた。
素敵な夜だった。お風呂に入って眠った。なかなか寝付けなかった。明日が楽しみだった。

朝起きて電話をして身支度をした。服がなかなか決まらなかった。君が迎えにきた。大きな車で大きなエンジン音で。君の隣に座る。雪が降り始める。

たい焼きを二人分買った。店内で食べた。米子にでかける。ショッピングモールにいく。カフェにいく。楽しい。君はかわいい。理想だった。すべてが愛しいと思った。わたしはバカなのかと思った。気づくと手を握っていた。手を繋ぎたかった。遠くに住む君に会えるのは、いましかないので、わたしの心は猛ダッシュで君に向かっていた。誰にも止められなかった。わたしの心の中に、止める人はいなかった。

君がすこし怯えているのは分かった。
バリアを張っているのは分かった。
別によかった。
君との距離が一ミリもないのであるなら、もうなんでもよかった。

そんな、恋の始まりだった。

あれから一年がたつ。
長いようで短いようで、それでいてやっぱり長い一年だった。
君と会える時間は限られていたし、一ヶ月に2.3日しか会えない恋愛です。
でもとても密度の濃い一年を過ごさせてもらった。
嬉しかったこと、楽しかったこと、苦しかったこと、悲しかったこと、たくさん経験しました。
春も、夏も、秋も、冬も、思い出せばいつもそばに君がいた。


当たり前の幸せをもっと大切に生きていきたい。


欲深く求めるより
はじまりの気持ちを思い出す。

そうだ。わたしはいまとても幸せです。